読書感そう文「SF合同誌 School idol Fictionally」を読んで・上

This world wishes for happiness

School idol Fictionally
上巻・ユメノトビラ

僕ラブ7で頒布された本作品。
前2つの感そう文でも同じようなことを言っていましたが、今回も相変わらず
「なんで、ラブライブで、こんなの出そうと思っちゃったの?」
と思わずにはいられないボリューム。
A5判型上下巻総計786ページ、総合計60万字超え、そして光る。
何もかもが規格外。もしかしたら今まで、自発的に買った本のなかで一番厚い本はこれかもしれない。

そんな気合&気合&愛の塊みたいなこの作品。それに応えられるかはわからないけど、稚拙な感そう文をつらつらと。

甘えたのは

ーーーーーユメノトビラを開いたその先には


 セ カ イ               
素敵なことうみが広がっていたーーーーーーー

頑張りすぎる園田をなんとかして休ませようとすることりのお話

最初僕は前評判というかなんというか、勝手なイメージとして、SF世界観の中でμ'sの誰かしらが辛く苦しい思いをしていくという苦行の結晶みたいな先入観を持ってこの本を開いたため、このほんわか安らぎ雰囲気にまず驚きました。そもSFというジャンルもようわからぬ。
どうせ謎の装置を押した途端悲惨なことが始まるんやろ~~?と疑ってかかった僕を裁いて欲しい。

南ことりに玄関口で「おかえりなさい」と言われること。それは全人類の夢。
ボタンの数がいくつまであるか明言されてなかったはずだけど、どれくらいまであるのかしら。そこまでボタンがあるのであれば、逆にことりが癒やされたい時に園田(25)とか欲しい。楽しさ無限大。いやぁSFっていいですね!(単純)

珈琲にをして

        こ  と  う  み  二  撃  確  殺

ユメノトビラを開くとことうみがたくさんある。
以上よりことうみはドリームコンテンツである。(Q.E.D

絶賛スランプ中のことりを気分転換させようとする海未と、アイドル大成してるにこの話

月並みな感想だけど、そこまで未来すぎず、でも新しい暮らしや価値観ができているぐらい先の近未来の世界を、文章で形にできるのは素直にすごいと思う。
宇宙進出、軌道エレベーター、月面都市。いつか本当に現実になるかもしれない。ならないかもしれない。そんな未来がちょっと恋しくなる。

作中の名前表記はウミ、コトリ、ニコで統一されていて、それ以外の名称で呼ばれる事はない。あくまでSF世界での存在であるから本編の海未、ことり、にこと=にはならないという意図なのだろうか。
でもにこだけは媒体によってはニコで呼ばれたりするときもあるし、それを狙ってたのかなと思わないでもない。

展開としてはワクワクするし、本当にことうみ生涯お幸せにって感じだ。
よかったです。(小学生並み)

Ring My Bell

まず鮮度の良いラブライブと1口大にカットしたマクロス7を、ドラゴンボールガンダムから取れたダシ汁で煮詰めます。水分が飛んでとろみがついてきたら最後に「友情」「努力」「勝利」をお好みで使い、味を整えたら出来上がりです。
みたいな(?)

少年漫画チックなラブライブ。でもこの凛ちゃんもうネガティブとかじゃなくてうつ病なのでは。μ'sの中では誰が一番強いんでしょうね!穂乃果がヒロイックな剣、海未が日本刀、真姫がダガーナイフ、凛が拳闘で、他のメンバーの武器はなんだろうねとかね!にこにはなんとなく双剣を持ってもらいたいイメージ。久しぶりに少年ごころくすられるよね。

眠り
真姫ちゃん大事故あいうえお

SFというジャンルに特別精通してるわけでも理解があるわけでもない僕だけども「ザ・SF
」と感じた。
いい具合に未来テクノロジー。いい感じに不思議な出来事。いい感じにハッピーエンド。

ちょいちょい第4の壁に触れてきてたり、効果音でフォントが太字になってたりと遊び心が見え隠れする。そういうの好き。
でも乗務員のキャラは仕事舐めてんのかって思う

AI矢澤が言う、思い出したのってなんなんですかね。やっぱりAIの方にもμ'sの記憶の因子みたいなのは残ってて、真姫の会話、ピアノから自力で記憶サルベージとかでもしたのだろうか。

とりあえず数十年後の真姫かにこかその子孫のどれかがタイムスリップして出港前の船に細工をする続編といくサイドストーリーは絶対ある。余裕である。(言い張る)
そもそも細工ができるなら出港自体を止めなさいという話だけど…例の曲のお陰でにこが超ヒットかなんかして、未来のためになる功績を残すとかなら別か。
そして実は隕石事故も未来から来た「真姫が将来生きていると困る団体の人々」の仕業で~(ターミネーターじみてきた)
こういう妄想の余地があるのいいよね。SFの魅力なのかな。

今はまだ、の途中
園田と絵里とエリーチカのお話

園田。ちょっとお話があります。園田、イケメンになるの禁止。ダメ。ずるい。

普通にいいえりうみ。守るとか、騎士とか、園田にぴったりな言葉ですよね。
いやまあことうみ大好きマンだからそこを基準にして考えてしまうけれでもそりゃあ恥ずかしがってタジタジになってる園田もいいけどやっぱりイケメン園田の魅力はすごいんですよね男の僕でも惚れるというかこういう風になりたいというかああもう本当に園田が園田で園田になりたい(作品の話をしろ)

エリーチカが顔赤くしてる事多かったしきっと昔から絵里のモロタイプみたいな感じだったんでしょうね。なんかもっと二人の関係が進んで「怒るかもしれないけど、海未って私の初恋の人に似てるのよね」「それって…」「小さい頃にロシアで会ってね」みたいなお話を持ちだされたら園田どうなっちゃうんでしょうね。
ああ、この二人の距離が変わってく様を希ちゃんと一緒にニヤニヤしながら眺めてぇなぁ…

高原野菜物語
平和of平和まきりんぱな

いやほんと平和of平和
3人が同棲してて、まあこれと言った困難やハプニングに遭うわけでもなければ、特別面白い冒険に出るでもない、ザ・平和。

近未来のテクノロジーに思いを馳せたり、時間を飛び越えるようなものがたくさんだけど、この作品には品種改良がより進んだ食材の話がふんだんに出てくる。
今回のSF合同でここまで食にフォーカスをあててる作品は無いのでは。
おにく大豆とか、甘みが前面に出されたじゃがいもとか、本当にあるなら食べてみたいものである。ただの肉大豆ではなくて「おにく大豆」と言うあたこの子らのほんわかさが伝わる。

変な視点で見ようとすると、ハバネロ並みの辛さを身につけてしまうようなトマトや、りんごのような味のするじゃがいもだとか、相当遺伝子書き換えられてるんだろうなぁ。
あまりラブライブ本編と大きな変わりのない3人がそこまでの遺伝子改良を施すような世界。
元は存在しなかった種の植物をどんどん作っていく世界。
これが人間だとしたら、謎の高次の存在に遺伝子を勝手にいじられて、高次の存在的に都合のいい部分が特化された新人類をどんどん作られていくわけですよ。成功しなかった失敗作もいるだろうし。怖すぎる。ヤプーかよ。
人語を理解するアルパカだってもしかすると。

実際やってるのは野菜の話なんだけど、ちょっとだけ怖いのかなと思ってもしまった。あらゆるいきものの遺伝子を操って、まるで本当に神にでもなったといえるぐらいのこともやってのけるような時代がいつか来るのかもしれない(考えすぎ)

時空ナンバーワンアイドル
超時空シンデレラ…? フロンティア的な…?脳量子波…?イノベイター的な…?

量子力学的研究をしている施設でなんか始まるみんなの話
真姫ちゃんが糞真面目なお話をしてお膳立てするけどただの面白いギャグだった

願ってたことが現実になるという前置きを受けていなかったとはいえ、願い事としてにこの事を思い浮かべてた凛ちゃんいいよね…いい子だ。
そして誰も怪我なく終えたのもきっと海未のおかげなんだろうな。園田。園田になりたい(n
度目)
誰かが「この時間を永遠に過ごしたい」みたいな願いを持ってしまってループ世界に入ってしまうIFストーリーをですね…(ループ好き過ぎ問題)

シュレディンガーの猫というと思い出すのは小学校の頃風邪で学校休んで、ボーっとしたまま教育テレビを見てたら、それの解説やってていかんせん幼かった為「は?」としか思わなかったけど、年月が経てば面白いこと考えるよなぁと思うようになりました。
知ってても実生活に殆ど関係ない、応用できないような小難しい話を上辺だけ聞いて「はぇ~」となるのは好きなのでそこも含めて楽しめました。
真姫ちゃん便利キャラ。

あとヒデコ、フミコ、ミカは存在自体がSFだと思う

聞こえていますか僕らの声
やさしい異星間交流をする凛ちゃんの話

モフモフさんの喋りが海未ちゃんっぽいし、多分月のウサギ的サムシングだったんだろう。
そして何かと海未ちゃんはうさぎ役を当てられるのでこれはうみりんです(強引)

何かと悪い方向に想像を持って行きたがるせいで「凛ちゃんが手伝ってたのが実は結構悪いことをするための前準備だったとかになるんかな…」とか思いながら読んでたらそんなことなかった。
きっと元から感情の起伏が少ない種の生き物で、毎日凛から教えられることは、すごく刺激的で興味深いものだったりしたら心がよりあたたまる。

事務所?にせんべいが置いてあるらしいけど、モフモフさん自信は経口摂取という事自体しないのに置いてあるということはどういうことなのか。他の宇宙人とかもいるらしいしせんべいを好んで食べる種がいてもおかしくないけど、凛の為に置いてくれてたりしたらいいね。

わたしのたったひとつののぞみ

私の望みは…叶ったよ…えりち… だいたい4:30からタイトル回収

違う(違わない)

いやもう開幕からずっと頭のなかでこれが。

希ちゃんのループもの。大好物。のはずなのに。
僕は希ちゃんが大好きな気持ちの悪いオタクで、できることなら彼女の好意が自分に向いてて欲しいとか本気で考えてるぐらいなので、ここまでうまく希ちゃんを救って相思相愛になるえりちを見てるとね、もうね、嫉妬が(ただの私怨)俺は彼女に必要とされたいだけなんです。

まあのぞえり系は幸せ具合とかラブラブイチャイチャポイントが高ければ高いほど比例して僕の心が穏やかじゃなくなるので、ある意味公正な判断材料になってるんじゃないですかね(投げやり)

という喚きごとはいいとして
ループで徐々に変わっていくっていう設定と、ラブライブ各媒体におけるキャラのブレ幅はすごく相性が良いっていうか、合理的にまとめられるから面白い。
超常現象なんとやらに所属してた本当に初期ラブライブ!の感じを持った希ちゃんも俺は大好きだよ・・・
ループ脱却の証が、朝目が覚めると隣で眠る好きな人がいるっていう構図は素敵ですよね。
交換日記じみたことを始めるえりち子供じみてて可愛い。でもダメ(私怨)
最後に卒業できなきゃ叶えられないのぞみを作るえりちイケメン。でもダメ(私怨)

こう、人付き合いの中で「仲良くなりたい。でも距離感がつかめないからどこまで踏み込んでいいかわからない~」みたいに思い悩んだりドキドキしたりするのが恋愛とか抜きにしても、苦しくも楽しい部分であるわけで、それらを既に経験してるせいで「だいたいこの時期まではその仲にはなってないな」というだいたいの感覚を覚えちゃってると途端に味気なくなっちゃうんだろうな。
そういう状態で歩む3年間×n回目はなかなかきつそう。それでも生徒会引いてはμ'sに入るってことは、希ちゃんはそれだけみんなが好きってことだったんだろうね。
ああ、希ちゃん…ただひたすらに1つでも多くの幸福に包まれて生きていてくれ…

極めて近く、限りなく遠い世界

台本形式に近いドタバタ話

あぁ~読むの楽しいけど疲れた~~~字もたれ~~~~つらみ~~~~
ってなってたところにスイスイ深く考えることなく楽に読めた。

アレだけの結果を収めたμ's、その過程で分岐したうまくいかなかった世界の彼女たちを想像するのはなかなかにつらく、そして楽しい。
こういう時にも話題に上がらない絢瀬(弟)とか南(妹&姉)とか。

でも高坂穂乃果高坂穂乃果である以上、うまく行かなかったからといってうまく行ってる世界の自分たちを恨んだり妬んだりしないんじゃなかなぁという勝手なイメージ。世界が変わっても本質は変わらないみたいだし。そんなイメージをもたせる穂乃果はちょっとした宗教レベル。盲信。

グッバイエスタデイ アンド 

過去に戻る系矢澤のにこまき。
誤解されちゃうよ なんか言ってお願い 過去に戻るone day

ええ、その、読んだ方はわかると思いますが、ホント、なんといいますか、希ちゃんが、はい、端的に言わせていただきますと、女神かと。(にこまきの話をしろ)

μ's加入後の矢澤は本当に主人公向きな感じありますよね。熱い心を持ってるし面倒見が良かったり、行動力もある。何より自分自身の苦い思い出があるお陰で説教たれても説得力ある。

でも一人で苦しんでいた時期の自分自身を目の当たりにするのは結構キツイものがあると思います。
自分だってもし過去に飛ばされて、過去一番で最低だった時期の自分を目の当たりにしたらすごく嫌な気分になるだろう。
もしそこで傍観しているだけでなく、直接コンタクト取るとなった場合、その最低な時期の自分自身を叱責するのか、励まし背中を押してやるのか。ただ頭を撫でてやるのか。その場面を自分自信でも誰かでも想定してみると結構面白いと思うのでオススメです(何)

まだ1年だけど、既に影から見守るという行為をしはじめている希ちゃんに対して未来の矢澤から感謝の言葉を送られるのは、希にとって本当に嬉しい言葉だったんだろうなと思う。恋愛感情ちょっとしかない感じののぞにこをくれ。ああほんと東條希に幸多き日々を。(にこまきの話をしろ)


中学生真姫ちゃん。つらそう。尾崎さんの存在を認めなければ不憫というかつらそう。尾崎さんいない世界線ホントつらそう。他人の目を気にしないレベルの中二病でも発症しなければ生きていけないよ…
この話のまま1期本編が始まるとしたら、もしかすると「愛してるばんざーい」が2年前に出会った少女をイメージして真姫ちゃんが作った曲なのかもしれないという妄想ができる。ええやん。

仮面ライダー
「一介のスクールアイドルを、街の平和を脅かす怪人を駆逐する者
                        ーーー仮面ライダーに変身させる」
僕「なんで」

「ライバーとは、近頃巷を騒がせる怪人の通称である。元々はファンを指すネットスラングだったが、怪人化して犯罪に走る事件が多発し、現在に至る」
僕「いやなんで」


穂乃果「ちょいさァ!」
穂乃果「ところがぎっちょん!」



僕「いやそれダメでしょ

変身後の呼称も穂乃果から完全にアルケー呼ばわりになるし、バスターソードを使ってどうこう言ってる時点でそんな予感がしたけどセリフでもう確信に変わった。
ラブライブレードを足サーベルにしたのは大笑いした。
でもカラーリング的に穂乃果はアルケーよりスローネツヴァイだよね。偽物だからアルケーにしたんかな。

仮面ライダーはRX クウガ アギトの短い期間しか見てなかったから、そっちのネタには反応できなかったけど、ひたすらアルケーが暴れてて面白かった。でも元ネタわからないとアレなんかなと思わなくも…
あとは要所要所から感じられるニンジャアトモスフィア。
SFとは何でもアリ。なるほど。

「かつて流行し今でこそ衰退したと語られても、あらゆる娯楽のテーマに使われるサイエンスフィクション、略称SFが何かわからないとは。」
ごめんなさい…

バック・トゥ・ザ・バースデイ!
デロリアン要素はありません

過去の希ちゃんをみんなで祝うお話。

読み始めて数行進んだ時点で「SIDだこれ…」とわかる独特なあの文体。
SID特有の時折語りかけるような、本当にそのキャラが読み聞かせしているような文字の流れ、いいですよね。読んでいても全然疲れないというか。読みやすいというか。優しい。

ひたすらに良いお話だった。たくさんのぞえりしてたけど(まだ)とても仲の良い友達で済ませられるレベルだし、ヘーキヘーキ。拳を握る力がいつもより増してしまうのはお話が良かったから。きっとそう。

しかし過去も現在も希ちゃんかわいすぎ問題なんですよね。絵里誕生日パーティー後の帰り道での会話内容も、可愛いと言われて照れて否定する過去の希ちゃんも。もう。ああ。フゥ!

過去に飛んでしまった系はだいたいが、現在の自分と過去の自分が直接対面したりせずに終わる気がするので、面と向かって話しているこのお話はめったに無いような気がするので、そこもすこ。
でも流石に小学の時の自分と高校の時の自分が対面したら流石に同一人物だと気が付きそうだけど…いや、小学~高校の間でめちゃくちゃ希ちゃんの可愛さレベルとかが跳ね上がったとか。

タイトル的にもバックでトゥがフューチャーする感じのあれで、そっちの記憶が曖昧だけども1作目のラストは「え、またタイムワープできんの。っていうか今から行くの。マジで。わー」みたいな終わり方で締めてた気が。それのオマージュなのか、それともアニメラブライブ2期最終話を意識してなのか、ハッピーエンドでおーしまいという感じにはならず、まだ続きがあるんじゃ的な終わり方なのもいい。オマージュでもアニメ意識だとしても愛みたいなのが感じ取れた。希ちゃんたくさん幸せになれ。

Pules in angel.
マジでエンジェーの花陽
すげえ面白かった(端的)

3組それぞれの話をもっと尺を割いて、より感情移入したりできるようになれるぐらい長い作品でのリメイクを希望したいレベル。
漫画で言えば単行本10巻くらいかけてやってもらいたいレベル。
                                  ラ ブ ラ イ ブ レ ー ド
Longness Optical Variable Enhanced Lazear Initialize BLADE 通称L.O.V.E.L.I.BLADE
を始めとするハイテクノロジーの名前をうまい具合通称でネタとして入れ込んでくる遊び心に脱帽。アカシアときたらアネモネでしょって思ってたらほんとうに来た。マジエンジェーも笑った。きっと考えるとき楽しかったんじゃなかろうか。

ガンダム好きな僕としてはりんまきつばぜり合いのといころは熱い。ビームサーベル的なやつでの戦いはワクワクしますね。
技術の急速発展の理由もちゃんと付けられてて綺麗にできてるなぁと感動しました。

通称にネタを挟んできたり、演出だったり、こう、ウマい。
最初凛ちゃんのブレードはイエローだったけど、途中でターコイズ持ってたり。
いつのまにかソルゲ三つ巴になってた時には、気がついてなかったけど文中の表現で気付かされて「あ!すげえ!」と声が出た。
極めつけは364p.下段のあのくだり。すげえ。ウマい。ウマすぎる。

シャロン・アップルと化した矢澤にこ。太陽と化した高坂穂乃果。なんなんだ君たちは。

想いが声にとけるまで
μ’s(世襲式)の話

よくこんな設定思いつくなというのが最初の感想。
それを迎える前からオリジナルの存在に何かと似てる存在になってるけど、よりオリジナルの存在に近づく現象を「覚醒」と呼ぶのは真っ当な呼び方な気もするけど、スクフェスを意識したんじゃないかなと思わなくも。
確かにスクフェス内だと当然のように、同じ高坂穂乃果がたくさんいるわけだしそこからなのかな。それとも自分が知らないだけでSF的には結構王道な設定なのかしら。

一応物語は希望に続いてくエンドになるけど、結構怖くないですかねこれ…
本文中にも書かれているけど「個性すら奪っているように思えて空寒い」まさにこれ。
本編中の高坂穂乃果は、ある時期まで辺境の星で暮らしていて、オリジナルに近い存在だったとはいえ確実に別の存在であるし、それまでの彼女の暮らしがあったはず。
それを加入、覚醒を経て、より高坂穂乃果足りえる振る舞いを求められるということは、以前の彼女の暮らし、育ちを否定することにもなるのではないかと思ってしまう。

覚醒を迎えた後の言動や考え方を見てると、求められる前に本人がそうしたいと思ってやっているみたいだから、本編中の彼女たちはそう考えたりはしていないだろうけども。ちょっとこわい。
覚醒できずに去った者もいたという。描写こそされないけど、きっとすごく辛かったんだろうな。何者にもなれず、成し遂げることもできず。こわい。


覚醒前に起きる身体や精神の変化が、オリジナルの存在が抱えてた葛藤に由来しているっぽいところが素敵。あんまり雪穂のことを深く考えた時がないから話の流れは新鮮な気持ちで読めて楽しめました。
雪穂と亜里沙はどれだけ願ってもμ’sとして11人で同じステージに立つという願いは絶対に叶えられないんですよね。何が叶え!みんなの夢!だ。
そんな叶うはずのなかった願いを、本当に本物のμ’sではないとはいえ叶えられたことは素直に喜ぶべきことなのだと思うし、ちょっと潤んだ。
オリジナルの雪穂亜里沙は絶対このことを喜ぶし、きっと一番9人μ’sにこだわりを持ってたにこも、喜ぶ二人を見て「しょうがないわねー!」ぐらいのことを言ってくれるんだろうな。みんな優しいもんな。

1つ気になるというか、もっと描写して欲しいと思ったのがA-RISEの3人。
彼女たちにも覚醒を迎える上での葛藤があっただろうし、かつてのライバルであるμ’sをどう思っていたのか。オリジナルを世襲してツバサが穂乃果を誘拐してもおもしろそう。
機構側の妨害とかを彼女らもしっかりと拒否してるのもいいよね。やっぱり対等な立場で戦いたいとか、そういうプライドはしっかり受け継いでるんだろうな。かっこいい。

ユメノトビラ
この世界は幸福を願っている。
通称?光の書
みんな幸せエンドだったり笑い話で済んでたり。最初から恐ろしいモノしか想定してなかったからひたすら「良かった…幸せだな…みんな…良かった…」とか言いながら読んでた。

その御蔭でページ数の割にはすらすらと読めた気がします。
それでも結構時間かかりましたが…

SFということで、執筆者それぞれが書かれる物語の中の彼女らが、あくまで原作寄りというか、それに近い設定のまま書かれていたり、あるいは生まれや育ちの前提を新しいものに作り変えていたりと差があっておもしろい。時にはラブライブの2次創作であることを忘れるぐらいに。


今更な謝罪ですが、あくまで読書感そう文といいますか、僕がバーっと1読した時点での思ったこと、考えたことを書き連ねただけで、全くの見当外れで馬鹿馬鹿しい事を言ってるかもしれません。言い訳がましい事を言うと、あまりの物量に「早く読まなきゃ」とやや斜め読みになってる可能性もあるわけでして…
おばかのひとり言に過ぎないので不快な思いになっても鼻で笑い飛ばして頂ければ…

確実に言えるのは全編通して、読んでいながら「面白い」と思えたこと。じゃなかったら本読む習慣もない僕が読み終えられるわけがないんですから。


ひとまずこの素敵なユメノトビラを作ってくれた、携わった方々へ感謝を。
そしてここまでお付き合いいただきありがとうございました。




next:キボウノユクエ
のはずだけど。
キボウノユクエハフメイ。まだ3編しか読んでないけど果たして読み終わるのはいつになることか。そして感想を書き終えるのは。がんばろう。希望、探そう。なさそう。